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【あるある疑問をプロが解決!】ロービートとハイビート、部品の消耗度ってどれぐらい違うの?

2017年10月4日

かつて古い時代のムーブメントには、ロービートとハイビートで部品の消耗度に差がありました。しかし近年は部品の材質や機械油の性能が飛躍的に進化し、その差もほぼなくなってきました。とはいえ、実際の消耗度はどれぐらいなのか気になりますよね。

そこで今回は日本屈指の老舗時計総合商社・共栄産業の技術者にご協力いただき、ロービートとハイビートそれぞれの特徴と部品の消耗度はどれぐらい違うのか、解説していただきました。

ロービート・ムーブ

ロービート

テンプが毎時1万8000~2万1600振動するタイプが、ロービートと呼ばれるムーブメント。やや重量のある大型テンプを力強くゆっくりと振幅させるタイプで、ガンギ車の歯数も少なくアンクルも大型です。輪列機構にも回転が少なく伝わるため、全体に機械負荷の少ない安定性と耐久性に長けた構造を持っています。

ハイビート・ムーブ

ハイビート

テンプが毎時2万8800以上振動するタイプがハイビートムーブメント。小型で軽量のテンプとガンギ車を採用し、強力なヒゲゼンマイを装備することで高速振幅します。輪列にもロービートより多く回転が伝わるため負荷は大きいですが、高速振動のテンプは姿勢安定性に優れ(多少の姿勢差に動じない)、高精度を維持できる長所があります。

部品のココが消耗する!

消耗

↑左が新品で右が劣化した状態

機械油が劣化して、摩擦が増大すると部品にも摩耗などが現われます。テンプは特に硬性に優れた材質なので摩耗することは少ないですが、輪列機構は写真のように、軸部品の根元が大きく摩耗して減ってしまうこともあります。

【ズバリ解説!】ロービートとハイビートでは精度調整作業にも違いが

ハイビートは姿勢安定性に優れているので、修理の現場では「精度を出しやすい(調整をしやすい)」ムーブです。ロービートは大型テンプのため姿勢差が安定するまでやや時間を要し、入念な調整作業が必要になります。

 

ロービートとハイビート、それぞれに特徴がありましたが、時計の機械油にも注意点があるそう。トルクの強弱で使用する油も違うだけでなく、期限を過ぎたものを使用すると性能が劣化。粘度が不足したり揮発するなどして部品の摩耗を進める原因になるそうです。メーカーが定めたオーバーホール期間ごと、古い油の洗浄や新しい油の注油など、ケアの実施を守るのが鉄則です。

【合わせて読みたい】なぜ腕時計のパワーリザーブはどのメーカーも同じ長さなのか?

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取材協力:共栄産業

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