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MY TIME〜私の時間術〜 Vol.8 ときを刻まないGUCCIの腕時計を着ける理由――中野裕太(俳優)

2017年5月22日

ときを刻まないGUCCIの腕時計を着ける理由――中野裕太(俳優)

時間は誰にでも平等。だからこそ1日24時間、その限られた時間をどう使うかが「人生を楽しむ」ための鍵となります。様々な業界で活躍する人物から「時間術」を聞く本連載。第8回は俳優の中野裕太さんにお話を聞きました。

Photos/高橋敬大 Text/赤坂匡介

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映画「遠くでずっとそばにいる」など多数の作品に出演してきた俳優の中野裕太さん。5月27日から主演映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』(通称:ママダメ)が公開予定です。

そんな中野さんに、役作りや日々の時間の使い方について聞いてみると、そこには「スタートからカットまでを生きる」という中野流の時間術がありました。

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――5月27日から主演映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』が公開予定です。役作りをする上で、苦労した点はありますか?

今回の作品は、実話を基にしたラブストーリーです。Facebookを通じて出会った、日本人の男性・モギさんと台湾人の女性・リンちゃん、ふたりの恋愛模様が描かれています。

撮影前にリンちゃんとお会いする機会があったときに、モギさんのイメージを伺い、外見はご本人に近づけることにしました。体重は5キロほど増やし、髪はパーマ、口にはヒゲを生やしました。あとはご本人の持つ要素をふくらませて、抽象化することを意識しました。

――体重を増やすことは苦ではなかったですか?

どちらかといえば、太りやすい体質なので、太るより痩せる方が大変ですね(笑)。

普段も、浅野忠信さんに教わった「16時間ダイエット」を実践しているんです。これは簡単に言うと、最後に晩御飯を食べてから次に食事をするまで16時間空けるというものです。たとえば夜7時にご飯を食べたら、翌朝の11時までは何も食べません。

――今回は国際結婚がひとつのテーマになっていると思います。日本と台湾、時間の流れに違いは感じましたか?

台湾は沖縄より南に位置することもあってか、時間がゆっくりと流れているような印象を受けました。ただ、これはもしかすると、台湾が“ゆっくり”なのではなく、東京が異常に忙しいだけなのかもしれないですが(笑)。

違いという意味では、台湾には少年のような笑顔を見せてくれる大人がたくさんいるんですよ。東京だと、誰もが社会の中で、しがらみがあったりして、なかなか自然な笑顔を見せられないじゃないですか。そこも違うなと感じました。

それと台湾の方は、仕事も真面目でしたね。親しみやすくてプロ意識の高いスタッフが多く、とてもやりやすい現場でした。

――中野さんにとって、いちばん好きな時間というのは、どんな瞬間ですか?

監督の「よーい、スタート」の掛け声から「カット」までですね。その時間がいちばん好きです。撮影しているときは、“いま、自分は生きているな”という実感がすごくあるんです。

役者は「よーい、スタート」から「カット」までの間を、圧倒的にどう生きられるか、それがどう評価してもらえるか、でしかないと思うんです。だから今回の作品も、撮影を終えて残ったのは、「魂を吸い取られた」という感覚だけでした。

ときを刻まないGUCCIの腕時計がお気に入り

――今日着けているのはGUCCIの腕時計ですね。時間が止まっているようですが、これはあえて修理していないのですか?

 

そうですね。これは父と母が何かの記念日に、お揃いで購入した時計なんです。しかし父の持っていた腕時計だけが壊れてしまい、僕が譲り受けました。

 

父はビジネスマンでしたから、さすがに壊れた腕時計は着けられません。だから僕がアクセサリー代わりに使っているんです。時計としては“壊れている”のかもしれませんが、個人的にはすごく気に入っています。ときは刻まないけど、なぜか秒針だけ動いているところも含めて(笑)。

中野さんが父から譲り受けたGUCCIの腕時計

中野さんが父から譲り受けたGUCCIの腕時計

――壊れた腕時計を着けていることは、ご自身が俳優であることと何か関連していますか?

そうかもしれません。「スタートからカットまで」の中で生きるというのは、タイムレスなものへの憧れなんですよね。時間が進んでいくのは必然ですが、今回のように作品として残し、それを多くの人たちに目撃してもらうことで、俳優は永遠になります。なぜなら、もし僕が死んでも映画は生き続けるわけですから。

本当なら、誰もが時間にとらわれて生きなければいけないですよね。だからこそ同時に、時間から外れた場所で生きていきたい、という欲が僕の中にはあるんです。ときを刻まない壊れた時計が好きな理由も、そこにあるような気がします。

――最後に、もし何か言い残したことがあればどうぞ。

5月27日から主演映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』が公開されます。ぜひご覧ください、ですかね(笑)。

映画「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」©“Mamadame” production committee

映画「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」©“Mamadame” production committee

 

中野裕太(なかの・ゆうた)

俳優

演技を、今井純氏に師事。2013年にGAS LAWを結成。映画「遠くでずっとそばにいる」などに出演。主演をつとめる日台共同制作作品「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」(通称:ママダメ)が、日本では5月27日より、台湾では6月16日より公開予定。

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