_24A3605

創業者の問いかけに一人だけ手を挙げた若き天才時計師の告白ーーフレデリック・コンスタント社マスター・ウォッチメーカー/ピム・コースラグ氏インタビュー【前編】

2017年12月19日

テンプの動きが文字盤側から楽しめる「ハートビート」の設計を世界で初めて考案するなど、フレデリック・コンスタントは創業30年ほどで数多くの偉業を成し遂げてきました。こうした躍進を2002年から支えてきたのが、“ブランドの頭脳”ピム・コースラグ氏。フレデリック・コンスタント躍進の原動力となっている彼が初来日したタイミングで、話を聞くことができました。

 

「自社製ムーブメントを作れるか?」

その問いかけに彼だけが手を挙げた

フレデリック・コンスタントは、以前にも述べた通り、新興ブランドとは思えないスピード感をもってユニークな時計を開発し続けてきました。なかでも時計界におけるブランドの地位を一気に引き上げたのが、ハートビート マニュファクチュールです。このムーブメントを設計した人物こそ、ピム・コースラグ氏。意外にも初来日という彼に、初の自社ムーブメントを開発するに至った経緯から、最新作のフライバック クロノグラフ マニュファクチュールの製作秘話まで、詳しく話を聞きました。

 

−−フレデリック・コンスタントの最初の自社製ムーブメントは、あなたが設計したものですよね? どのような経緯で任されることになったのですか?

私が時計学校に通っていた2001年、フレデリック・コンスタントに訪れた際に、創業者のピーターにこう問いかけられました。

「誰かうちで自社製ムーブメントを作ってみないか?」

と。そこには15名ほどの学生がいましたが、唯一手を挙げたのが私だったんです。正直なところ、できるかどうか不安はありました。それでも「やってみたい」という気持ちの方が強かったんです。

在学中から構想を練り、卒業後フレデリック・コンスタントに入社しました。

↑フレデリック・コンスタント社マスターウォッチメーカー/ピム・コースラグ氏。17 歳でアルメロのクリエイティブ・アート・スクールに通い、18 歳でアムステルダムの時計エンジニア学校に入学。校内にてベストウォッチメーカー賞を受賞したことがきっかけとなり、ジュネーブのパテック フィリップにてインターンシップの機会を得る。当時、学生でありながら、2001 年にはジュネーブの著名な時計メーカー(ロレックス、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンタンタンなど)を訪れる中で、フレデリック・コンスタントも来訪。 フレデリック・コンスタントの工房訪問中に、社長であるピーター・スタースと出会い、ムーブメント開発に協力することを約束。オランダに戻ってグローネフェ ルドでのインターンシップを行いながら、“FC-910”の開発に着手。2003 年、卒業後わずか3 週間で、ジュネーブに移住。小さな時計メーカーでまだ知名度も高くなかったフレデリック・コンスタントに就職。それから12 年以上にわたり、自由で新技術も試せる環境で開発を続けている。

↑フレデリック・コンスタント社マスター・ウォッチメーカー/ピム・コースラグ氏。17 歳でアルメロのクリエイティブ・アート・スクールに通い、18 歳でアムステルダムの時計エンジニア学校に入学。校内にてベストウォッチメーカー賞を受賞したことがきっかけとなり、ジュネーブのパテック フィリップにてインターンシップの機会を得る。当時、学生でありながら、2001 年にはジュネーブの著名な時計メーカー(ロレックス、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンタンタンなど)を訪れる中で、フレデリック・コンスタントも来訪。2003 年、卒業後わずか3 週間でジュネーブに移住し、小さな時計メーカーでまだ知名度も高くなかったフレデリック・コンスタントに就職。以来12 年以上にわたり、自由で新技術も試せる環境で開発を続けている

 

−−新規設計に際して、創業者ピーター・C・スタース氏から具体的な指示や注文はあったのですか?

ピーターから受けた注文は、「6時位置にハートビートを持ってくること」でした。これは、汎用ムーブメントをベースにしていたハートビートのテンプが12時位置にあることに由来しています。

_24A3453

ハートビートのデザインは1994年にフレデリック・コンスタントが世界で初めて考案したものですが、惜しいことに特許を取らなかったんですね。その後、似通ったデザインの製品が多く世に出てきたことは、皆さんご存知の通り(笑)。これを自社ムーブメントではガラッと変えたい、ということで6時位置にテンプがくるような設計が必要だったわけです。

また、汎用ムーブメントではテンプの位置がどうしても裏蓋側になってしまうため、テンプを輪列が挟み込むような設計にして文字盤側にする工夫を施しました。

↑最初に手がけたハートビート マニュファクチュールFC-910搭載の第一弾モデル。世界限定500本の時計製造は、すべてピム氏が一人で組み上げたという。ピム氏の愛用機は、2本目に製作したものだという

↑ピム氏が身に着けていたのは、FC-910を搭載するハートビート マニュファクチュールの第一弾。世界限定500本で製造された本機のムーブメントは、すべてピム氏が一人で組み上げたもので、そのモデルをいまも愛用している

 

後編は12月22日17時に公開します。

 

フレデリック・コンスタント公式サイト https://frederiqueconstant.com/ja/

_24A3605

Related Article

無題

Topics #FREDERIQUE CONSTANT#HAMILTON#JUNGHANS#MONTBLANC

2017年7月1日

入門機でも一生付き合える! 失敗しない腕時計の見極め方【クラシックウオッチ編】

就職やプレゼント、自分へのご褒美……腕時計の購入タイミングは人それぞれ。ましてや初めての1本となると、どのブランドを選べ […]

_24A3575-1

People #FREDERIQUE CONSTANT

2017年12月22日

創業者の問いかけに一人だけ手を挙げた若き天才時計師の告白ーーフレデリック・コンスタント社マスター・ウォッチメーカー/ピム・コースラグ氏インタビュー【後編】

テンプの動きが文字盤側から楽しめる「ハートビート」の設計を世界で初めて考案するなど、フレデリック・コンスタントは創業30 […]

frede実099-08 のコピーmain

Item #FREDERIQUE CONSTANT

2017年11月27日

【PR】新しいカレとフライバック クロノグラフで魅せるフレデリック・コンスタントのスタイルと技芸

フレデリック・コンスタントの製品は、どれも〝手の届くラグジュアリー〞な逸品揃い。性質の異なる2つの新作も、価格以上の価値 […]

Porsche Design MONOBLOC ACTUATOR All Titanium_Angle

Item #BREITLING#FREDERIQUE CONSTANT#PORSCHE DESIGN

2017年4月8日

【BASELWORLD2017_注目のクロノグラフ】ポルシェ911 RSRの技術で作られたクロノグラフが登場

バーゼルワールド2017で発表された新作を取り上げていきます。今回は、人気ジャンルのひとつであるクロノグラフから、非常に […]

Avenger II GMT - Japan Special Edition

Item #BREITLING#FREDERIQUE CONSTANT#OCEANUS

2016年12月14日

なぜ「マザー・オブ・パール」は日本で人気なのか? その魅力に迫る!

マザー・オブ・パール文字盤を限定仕様として製作するブランドが今、非常に多いです。この素材が持つ魅力とは一体なんなのか。日本限定で展開されることも多いマザー・オブ・パールの魅力を探ります。

Frederique_Constant-Manufacture-02

People #FREDERIQUE CONSTANT

2017年11月29日

【12月2日(土)開催】フレデリック・コンスタントの頭脳がGINZA SIXで行うトークショー&組み立て実演は必見

フレデリック・コンスタントは、「Accessible Luxury/手の届くラグジュアリー」をコンセプトに創業から約30 […]